志龍塾とは

はじめに

「これから生きていく上で大切なことを多く学ぶことができました。その中でも重要なことは『判断』だと思いました。判断する時は思い込みをせず、責任をもつことが必要だと感じました。また目標ばかりにとらわれず、目標の根底やその先にあるものを考えることができれば、思いを強く持って社会に貢献できるという話が心に響きました」

これは2016年に本校で開催された志龍塾で、JR東日本野球部監督の堀井哲也氏に「監督論」というテーマで講演をしていただいた際に提出された生徒の感想文の一部です。

シダックスグループの創業経営者として自らの企業を全国トップに育てあげた志太勤代表(本校5期生)が、経営から社会貢献に大きく視野を広め始めた際、力を注いできたことは子どもの教育。

志太代表のふるさとであり、また母校でもある本校に寄贈していただいた「志龍講堂」、そこを舞台とした「志龍塾」はまさにその思いを体現したものといえるでしょう。

志龍講堂建設のいきさつ

遡ること20数年前、志太代表に母校でもある本校において講演をお願いする機会がありました。

残念ながらこの時は志太代表のお考えと本校のスタンスがうまくかみ合わず、話は頓挫したかに思われました。

その後、本校の講堂兼体育館建て替えの話が浮上したものの、建て替え費用が捻出できないという問題に直面。
困り果てた関係者が頼りにしたのが志太代表でした。

前のいきさつがあったので、私たちはまず志太代表のお考えをしっかり理解することから始めました。

志太代表の「子どもの成長について、小学校時代は親子関係、中学校では社会との関係、こうしたことをしっかりと学ばせ、そして高校で自分の人生の方向を決め、大学は自分が決めた方向の勉強をすることだ」という考え方を理解し、この考えを基本とした生徒に定期的に話ができる仕組みを作り、講堂をそのための場とする、ということで費用負担を快諾していただきました。

計画段階では1階建ての想定でしたが、実際には1階部分が食堂や卒業生の記念品を展示できる学生ホール、2階部分が講堂という2階建ての施設が完成しました。講堂は生徒800人と先生など関係者200人の合わせて最大1000人を収容できる規模となりました。

2006年、完成後の第一回講演会には志太代表にご登壇いただき「事業家へのすすめ」というテーマで講演をしていただきました。

こうして志太代表との約束通り、生徒に定期的に話ができる仕組み「志龍塾」がスタートしました。

志太代表には「講堂というハードだけではなく、志龍塾というソフトも寄贈していただいた」と心から感謝申し上げたいと思います。

なお、当初講堂は志太代表への敬意を表して「志太講堂」と呼ばれていました。
のちに本校が建つ場所はむかし龍城という城が建っていて、生徒たちは一体を龍城山といっていたこと、また本校の学祖が地元の偉人・江川太郎左衛門英龍であるということから「龍」と志太代表の「志」を組み合わせて「志龍講堂」と名付けられました。

これが「志龍講堂」の名前の由来です。

2016年、地元中学も対象とした「志龍基金」スタート

志龍講堂ではその後、年3回のペースで識者の講演会を開催しており、元プロ野球監督の故野村克也氏にも講演していただきました。

元々は本校の在校生を対象とした講演会でしたが、志龍講堂建設当時の校長がのちに伊豆の国市教育長に就任したのをきっかけに、今では地元の中学生たちも含まれるようになり、伊豆の国市内の3つの市立中学校が各々年3回の講演会を持ち回りで開催し、ほかの2校は上演会で聴講するという体制も整いました。

志太代表は一年あたり30万円の負担を50年間継続できるようにと1500万円の基金を積み立ててくださいました。

これが「志龍基金」です。

現在は本校における講演会と3つの中学校における講演会の合計6回の講演会を毎年開催しており、生徒たちは講演会の後に志太代表に感想文を提出しています。

冒頭の感想文もそのひとつです。

志龍講堂には「志の鐘」が

母校である本校に多大な貢献をしてくださった志太代表の夢がつまった次代を託する子供たちの育成プログラム「志龍塾」が始まった経緯は以上の通りです。

最後に、志太代表の人生哲学は「愚直に一歩一歩」とのこと。

シダックスグループ創業者 志太勤氏(本校5期生)

志太代表のこどもの成長に対する考え方のベースにもこの哲学があるといいます。

企業経営者として成功を収めた志太代表が、この人生哲学を具現化するために作ったものが「志の鐘」という鐘です。

人生の苦しい時、悲しい時、「鐘」を鳴らして自らを鼓舞せよ、という思いが込められたこの鐘は今も志龍講堂の屋上に置かれており、志太代表の人生哲学をさらに細かく文章化した文言が刻まれています。

成功は「志」の強さで決まる

常に明確な「志」を持ち

それに向かって顔を上げ

今。に集中し

一歩一歩、歩み続けよう

そこには必ず到達する。

私はそう信ずる